技術情報

アラミド繊維

アラミド繊維を使った耐震工法のご紹介

[耐震改修]アラミド繊維工法

「奇跡の繊維」と呼ばれ、強度、耐疲労性、耐衝撃性、耐熱性などで優れた特性を持つアラミド繊維。
前田組ではこのアラミド繊維を用いたアラミドシート工法による改修をはじめ、状況に応じた様々な耐震改修工事を行っています。

アラミド繊維とは?

高機能繊維の一種で、「スーパー繊維」「ハイテク繊維」と呼ばれています。
3大合繊の一つ、ナイロンと同じ「アミド結合」を持っていますが、ナイロンは脂肪族ポリアミド、アラミドは芳香族ポリアミドで、ナイロンと区別してアラミドと呼ばれています。
アラミド繊維は高強度・高弾性で耐久性に優れています。宇宙・航空機などの最先端分野から防弾チョッキ、タイヤ、スポーツ用品など幅広く使われています。

アラミドシートとは?

アラミドシート

[アラミドシート]
アラミドシートはアラミド繊維を1方向または2方向に織り上げたもので、コンクリート構造物に貼り付けて樹脂を含浸、硬化させた新しい耐震補強材です。
アラミドシートを既存の鉄筋コンクリート造建築物の柱に巻き付けることにより、柱のせん断耐力と靭性能の向上を図る耐震補強工法(AF工法)は、1997年2月に(財)日本建築防災協会の技術評価を取得しています。

コンクリート補強筋

[アラミドコンクリート補強筋]
アラミド繊維をエポキシ樹脂で成形したコンクリート補強筋です。
鉄筋と同等の強度がありますが、重量は鉄筋の5分の1程度で、建物にかかる重量負担の軽減が可能です。

アラミドシートの特長

  • 鋼材と比較して引張強度は5倍、比重は5分の1です。
  • しなやかでかつ樹脂の含浸性が良いため、簡便な作業(コーナー部の面取りや丸み付けが不要)で確実な補強効果が得られます。
  • アラミドシートは電気を通さないため、電気設備のある場所でも安全に作業ができます。
  • 柱への貼付は、テープ状のシートを螺旋状に巻き付けることにより、施工時間が短縮できます。
  • 躯体の正確な出来形の測定が不要で、施工性の良さと合わせて工期の大幅な短縮が可能です。
  • 重機を必要とせず、狭い空間(10cm幅程度)での施工が可能です。
  • 補強後、構造体や基礎等に影響するような荷重の増加が無く、外形寸法の変化も殆どありません。

アラミドシート工法とは?

アラミドシート工法は、連続繊維シート工法のひとつで、アラミドシートに樹脂を含浸させながら構造物に貼付けてアラミド繊維強化プラスチック(AFRP)層を形成することにより、構造物の耐力を向上あるいは劣化を防止する工法です。

連続繊維シート工法

連続繊維シート工法

施工手順

①基礎確認

完成
地中梁の位置確認のため、土間(コンクリート)をハツリます。この現場では地中梁の直上に柱があるため土間を深く掘り下げず、 床の高さからの補強となります。

②下地処理

完成
既存仕上げ材の撤去を行います。表面をディスクサンダー等で平坦に仕上げ、著しい断面欠損部や豆板等の不良部分を除去し樹脂モルタル等で修復し、平坦に仕上げます。

③プライマー塗布/不陸修正

完成
コンクリート面の強度増加と含浸用エポキシ樹脂との接着性を確保します。コンクリート表面の小さな不陸(打継ぎ部、型枠の目違い、巣孔等)は、プライマーの指触硬化後、樹脂パテで平滑に仕上げます。

④下地処理完成

完成

⑤含浸接着樹脂の下塗り

完成
プライマー、下地調整材の指触硬化確認を行い、塗布量が各シートの標準使用通りであるかを確認します。そしてローラー刷毛を用いて所定量を均一に塗布します。

⑥アラミド繊維シート貼付け

完成
皺が発生しないように軽く引張りながら貼付け、脱泡ローラーで気泡や皺を残さないように軽くしごき、樹脂がシート表面に滲み出るまで10~20分放置します。

⑦含浸接着樹脂の上塗り

完成
下塗りの樹脂がシートの表面に滲み出るのを確認してから、繊維方向に沿って樹脂を均一に塗布し、脱泡ローラーで樹脂を十分に含浸させます。

⑧施工後の養生

完成
樹脂が初期硬化するまでは水分の付着を防ぎ、器物が当たったり人が触れないように養生します。施工後の気温が5℃以下になる場合は採暖します。

⑨表面保護仕上げ

完成
今回はウレタン系ペンキを塗り表面保護をします。その他にモルタル仕上げや、ボードで覆ってクロス貼りなどもあります。

⑩完成

完成

PAGE TOP