「会長さんはまだ隣におらっせるもんで、社内の雰囲気は何が変わったとも言えせんなぁ…」

 2007年12月より前田組2代目社長となった前田靖は生粋の名古屋人。インタビューの席で開口いちばん、いつものようにおどけて笑う。下町人情肌の前田は、気取りもせず飾りもしない。いっぽうで、創業者である父の姿を見ながら、やがて事業を継承するのだと幼いころから責任を感じていたという。社長として半年、その笑顔の内側にある思いを探る。
ピカッと昭和区ナンバーワン!
 「私の人生においてこの仕事やってよかったなと思う瞬間は、何より地域の人たちに喜んでもらえたときです。昭和区の広路そして川原のコミュニティーセンターは、その例です。毎日のように住民の方々が利用する場所で、その施工を手掛けたのが地元前田組。互いに顔知れるというこの地域との一体感ですよ。」
  そう語る前田の表情に実感がこもる。なるほど、これならばその後のメンテナンスや関連施設計画など、必要なとき即座に対応が可能だ。このような目に見える関係は安心感につながる
「だから思ったのです。我々はまず地元昭和区でピカイチになる!とね。」
みんなのためによりよい仕事、豊かな愛情
 「みんなのためという言葉にはお客様はもちろん前田組そして社会全体を含みます。よりよいとは安くて丁寧な仕事。さらにお客様の状況に合わせて納得していただける仕事であると考えます。正直言うと、前田組の提供する仕事は特に専門性の高い技術を有するものではありません。だからこそ基本に徹します。」
当たり前のことをケタはずれの情熱で取り組む
 これこそ己の仕事に対するスタンスだと前田は語る。
「たとえば現場のごみ処理や掃除。この当然のことをあえて意識し情熱をもって取り組みます。それは安全とも直結するからです。きれいな工事現場に事故はゼロですから!」
 一般的に職場で事故や怪我のないことは当然だが、建設現場では常に危険と隣り合わせ。ゼロ労災を確実にするためには従業員一人一人が意識化しなければ成し得ない。「そうしてひとつずつ当たり前のレベルを我々の中でも上げていくのです。」
 では、豊かな愛情とはいかに?
「これは人と接す時の気持ちのことです。相手(お客様)に親身になって耳を傾ける。そうすると自然に人間関係が円滑になります。そして会話の質も、お客様に提案する内容も変化していきます。その具体的な形が、気持ちのよいあいさつじゃないでしょうか。そこで、前田組のトップとして私が率先してやることとは、みなさまに挨拶すること、つまり前田組をもっと知っていただくことだと思います。足しげく現場を訪問し、まず私の顔を覚えてもらう。直接状況を見ながら、お客さんの話を聞く。これを繰り返すうちに現場のリーダーや仕事を発注してくださる方ともお会いすることがあるでしょう。こうして、安心感と信頼を獲得していきます。
 2代目社長、前田靖の挑戦はまだ始まったばかり。果たして新生 前田組はどう変化していくのか?リーダーとしての思いと、それに伴う確実なアクションとは?前田の本気が冴える正念場はこれから。期待したい。
お客様の声にヒントあり!
『こんなこともやってくれるの?!』
 前田が時折驚かされるのは、お客さんの認識と建設側の常識にギャップがあることだ。前田組の持ち味は、すべてわたり自社施工できること。設計、現場監督、そして大工といった各専門家が社内にそろっている。ゆえに低コストで、直接手足を動かして作業を完了させることができる。たとえば棚板を吊りたいとか家屋の耐震補強をしたいとか、建物に関するご近所の困りごとを伺えば、たいていのことは解決できるのだ。素人が知らない事実と業界の常識の差を縮めていくための、懇切丁寧な努助っ人要請力。ここに前田組の存在価値がひかるのではないか、前田はそう確信している。また災害時の救援物資として角材、べニア板、ビニールシートの資材備蓄管理を開始。いかなる時も社会に貢献できる企業たるべく、重要な一歩といえる。



←前田は助っ人要請が携帯に入れば、
 即座に現場に駆け付け、自ら作業もする。

私の無我夢中! トレイルランニング
前田社長トレイルランニング
 走るきっかけは名古屋シティマラソンへ仲間と参加したことですね。10キロコースなのですが、夜間に時間をみつけては走る練習を重ね、2年連続出場し10分以上も記録を縮めました。その後出会ったのが、このトレイルランニング。
 トレイルランニングとは登山道を駆け抜けるスポーツで、大会もあります。私は新城の山11キロをゆく大会に出場を決意。いつも10キロは走っているので、まあいけるだろうと。ところがふたを開けると キツイのなんのって…時間制限ぎりぎりのランナーを追いかけるスィーパーに「がんばれ、まだ間に合う!」と声援うけ必死で到着。そう、私ドベですわ。
 しかし、半年後ですよ。懲りずに別の大会に挑戦。甲斐あって全体の中間層に位置しながらゴールできました。なりより爽快だったのは、山道の下り。雨あがりでしたので、ぬかるみで転倒者も続出。ところが私はまるでスキーの滑降の要領でスピードに乗り、なんとその間いっきに20人抜き。「ああ、走るって楽しい!」
 今年も9月の大会に出場します。エントリーしてしまえば、まったなしで必死に練習しますよね。(笑)